【オリジナル小説】マジでコワイ日本に実在していた集落3選

 

こんにちは。オカルト編集長の宮澤龍太です。

 

この記事でご紹介しているオリジナル小説は、日本オカルト村がフリー小説家にお願いをして書いて頂いたストーリーになります。

 

あなたも、怪奇村に迷い込んでしまった気分を体験しながら、ゆっくりと読んでみてくださいね。

 

宮澤龍太
本当に怪奇村に入った気分が楽しめますので、最後まで読んでね♪

【オリジナル小説】日本に存在したマジで怖い集落3選

 

本当に読むだけで怪奇の村に嫌でも入ってしまう気分を自然に感じることが出来るため、空いている時間に楽しみながらご覧ください。

 

この記事で公開しているオリジナル小説は、専属ライター様によって制作されているものなので以下のような、

  • 無断引用
  • 無断転用
  • 小説を改変して公開する行為

等を行った場合は法的措置を取らせて頂く場合がありますのでこ理解とご協力をお願いします。

 

それでは、本当に怖すぎる集落に入村した気分が読むことで感じられると思うので、お楽しみください。

 

奈保留村の武士の思い 作者:湊海 42歳

 

今も数多く残る都市伝説のひとつに、奈保留村(なおるむら)の悲劇がある。

 

その村は、現在でいう岐阜県恵那市あたりにあり、江戸時代には参勤交代の主要ルートである中山道の宿場町のひとつとしても有名であったが、当時は違う名で呼ばれていた。

 

だが、今となっては、その名を知る人はいない。

 

大名行列と言えば、斬り捨て御免という因習を思い出す人も多いだろう。

 

この地も例外ではなく、行列が通り過ぎるまで、誰もその姿を見たり、声を発してはいけないという暗黙の了解があった。

 

それを破ったものは、容赦なく斬り捨てられたため、その村の大通りは、通称『くちなし通り』と呼ばれていたほどだ。

 

ここまではよくある話だが、この村が他の地域と一線を画していたのは、この因習に立ち向かった者がいたからだという。

 

彼らは「目には目を」という名目で、殺された仲間の敵討ちのために、下級武士を刀で斬り殺したのだ。

 

そのうわさが広まり、彼らを恐れた大名達は大名行列のルートを見直し、この村を避けて通るようになった。

 

その結果、村には人通りがなくなり、生活していけなくなった人々が、徐々に村を離れていった。

 

彼らは「斬り捨て御免に打ち勝った」と英雄気取りだったが、残された人々は村が宿場町として機能しなくなった怒りを彼らに向けた。

 

彼らはなぶり殺しにされ、村の入口付近に埋められた。人々はこれで旅人達が戻ってくると期待に胸を膨らませたが、その思惑は外れ、村に活気が戻ってくることはなかった。

 

絶望した人々は、この地は呪われてしまったのだと恐れおののき、一斉に村から逃げ出してしまった。

 

そして、人っこひとりいなくなったこの村は、いつしか忌み言葉で死を意味する『奈保留の村』と呼
ばれるようになったそうだ。

 

それから100年以上の月日が流れ、この地に目を付けたとある業者が、バイパスを通そうという計画を立てた。

 

廃墟と化したこの地は、立ち退き交渉も必要ないため、彼らにとっては好立地だったのだ。

 

だが、その工事中に作業員が次々と不審死するという、不可解な事故が続いたため、計画は途中で頓挫してしまった。

 

中途半端にアスファルトが敷かれた道路は、村人に殺された英雄気取り達のように、周囲の景色からひどく浮く存在になってしまった。

 

この新たな悲劇により、再び奈保留村の存在は、世間の注目を浴びることとなった。

 

だが、そのうわさは「村人に殺された男達の地縛霊が、今もこの地を訪れる余所者に制裁を与え続けている。

 

この村を訪れた者は絶対に生きて帰れない」という、明らかに眉唾物の出来の悪さだった。

 

だが、そのうさんくささが若者達に受け、いつしか奈保留村は日本でも有数の心霊スポットとして、肝試しに訪れる者が続々と現れた。

 

そんな都市伝説に魅了された者が、ここにも三人いた。

 

「おっかしいなあ。このあたりのはずなんだけど・・・」

「ちょっと大和。道間違えたんじゃないの?」

「田舎すぎてGPSが途切れたんだよ。ナビがさっきの曲がり角で案内放棄しちまってさ」

「後は勘に頼れってか?」

「ま、大丈夫っしょ。俺の頭の中には地図が入ってるからさ」

「住宅街に迷い込んで、なかなか抜け出せないポンコツ地図ですけどね・・・」

 

大学でオカルト研究会に所属する大和、咲、拓馬の三人は、春休みを利用して心霊スポット巡りを計画した。

 

その最初の目的地が、くだんの奈保留村だった。

 

ナビに見捨てられた彼らは、とりあえず目の前に続いている山道を進むことにしたのだが、徐々に道は細くなり、やがて獣道のようになってしまった。

 

「ねえ、もうこの先車進めなくない?」

 

大和がもう一度地図を確認しようとすると、突然ナビが右折を指示してきた。

 

「え?右折って・・・地図に道ないけど?」

「前進できないんだし、ナビを信用すれば?」

 

大和は渋々ナビに従い、車を方向転換した。

 

そして、しばらく走っていると、右前方に石碑のようなものが見えてきた。

 

「あっ、これだよ、これ!地縛霊を鎮める石碑が去年建てられたんだって」

「何でそんな最近なんだよ」

「え?お前知らないの?肝試ししに行ったオカルトマニアが次々行方不明になったんで、ここの市長が建てたって話だぜ」

「はぁ!?そんな話聞いてねえし!俺は帰るからな!!」

 

何となく嫌な予感を肌で感じた大和は、来た道を引き返そうとした。だが、それを止めたのは拓馬だった。

 

「おいおい、今更それはないだろ?せっかくここまで来て。生きて帰れたら、俺達英雄になれるんだぜ?」

「そうそう。オカルト研究会の知名度も爆上がりよ?」

 

踏ん切りのつかない大和に痺れを切らした拓馬は大和と運転席を代わり、車を再び走らせた。辛気臭い顔の大和を盛り上げようと、咲は突然童謡の「おばけなんてないさ」を歌い出した。

 

その時、大和はこの村のタブーを思い出した。

 

『ここを通り抜ける時は声を発してはいけない。さもなくば・・・』

「バカ!咲!歌うなっ!!」

「え?」

 

だが、遅かった。次の瞬間、窓から何かを見た咲が悲鳴を上げ、驚いた拓馬は急ブレーキをかけて車を止めた。

 

ふたりが恐る恐る振り向くと、咲は刃物のようなもので喉を掻き切られて息絶えていた。

 

「ひっ!」

 

思わず悲鳴を上げそうになった拓馬の口を、大和が慌てて塞いだ。

 

そして、ズボンのポケットからスマホを取り出すと、メール画面に何かを打ち込み、拓馬に見せた。

 

『一切声を出すな。殺される』

『ここはくちなし通り。大名行列に遭遇した時に声を出すと、武士に斬り捨てられるという因習があった場所だ。』

 

拓馬はそのメッセージを見て、口パクで「マジ?」と答えた。

 

『咲はたぶん・・・そのせいで殺された・・・のかも・・・』

『任務を全うしていたのは、斬られた武士のほうだったんだ』

『大丈夫。無言で戻ろう』

 

拓馬は車をUターンさせると、元来た道をゆっくりと引き返した。

 

が、突然目の前に人影が現れ、驚いた拓馬は急ハンドルを切り、そのまま石垣へと突っ込んでしまった。

 

その衝撃で拓馬は胸を強く打ち、気を失ったが、大和だけはかろうじて意識を保っていた。

 

だが、自分の視線の先にいた人影が血まみれの落武者だと認識した彼は、すでに正気をなくしていた。

 

「あ・・・あ・・・」

「お前も・・・殿の邪魔だてをするのか」

 

大和はガタガタと震えながら、首を小刻みに横に振った。

 

「ならば・・・車を置いて今すぐ立ち去れ。出口はここから真っすぐ、北の方角だ」

 

大和はこくこく頷くと、転がるように車から飛び出し、ひたすら北を目指して走った。

 

そして気が付くと、石碑のところまで戻ってきていた。

 

「やった・・・。出られた・・・」

 

大和がその場にへたり込んでいると、警官らしき男が近づいてきた。

 

「君、こんなとこで何してるんだ。ここは立ち入り禁止だよ」

「え?」

「この先で崖崩れがあってね、道路が寸断されてるんだ」

「え?でも・・・」

 

大和は今走って来た道を振り返った。だが、そこに山道はなく、通行止めのバリケードが置かれていた。

 

「さっきまで・・・この先の道路を走っていたんです。車もその先の村に・・・」

 

大和が警官のほうに向き直ると、今度は石碑までもが姿を消していた。

 

「あれ?ここに石碑がありませんでした?」

「続きは署で聞こうか」

 

大和はパトカーに乗せられ、その場を後にした。

 

当然ながら、彼の話は全く信じてもらえず、迷子扱いで帰されることになった。

 

後日、大和は拓馬の捜索願を出したが、結局彼も車も見つかることはなかった。

 

このストーリーにした理由

都市伝説がテーマなので、最後までもやもやした余韻を残したいと思い、どこまでがリアルかわからない雰囲気を目指してみました。

 

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