4、叩かれる浴室(会社員 和歌山県 32 パロ様)

 

新卒で働くために新しいアパートを借りたその日から奇妙な出来事が始まった。

 

中野区のとあるアパートを借りて住むことになったのだが、まさかこんな出来事が頻発するとは思いもしなかった。

 

事の始まりは、夜なかなか寝付けないでいた夏の日のことだった。

 

寝返りを何度も打っていたのだがなんとなく意識が薄れて眠りに入ろうとしたその時、「パンパンパン!」と頭の上で銃声が鳴り響くような音がした。

 

眠気眼でむっくりと起き上がり、辺りを見回したが何もない。

 

きっと夢を見かけていたのだろうとまたベッドに戻り眠りについた。

 

次の日の朝。顔を洗おうと洗面台に向かうと、風呂場の中が何だかいつもと違う気がした。

 

ドアを開けてみると、不気味なことにシャンプーやリンスといったボトルが全て同じ向きに倒れており、ぞっとした。その日は一刻も早く出勤し、職場の人にその話をしてみた。

 

すると、霊感のある一人が、「あなた、危ない気がする、これを持って帰りな」と言われ立て札を渡された。

 

半信半疑で、退勤した後部屋に入るとやはりあの風呂場から妙に嫌な気がする。

 

思い出したあの立て札を洗面台に置いてその日は恐る恐るお風呂場に上がり、シャワーだけさっと済まそうと思った。

 

しかし、シャワーを浴びている最中にいきなり「ガチャガチャ」とドアノブを回す音が聞こえ「空き巣?!」と疑った。

 

急いで着替えて風呂場から出てみると何もない。

 

戻ろうとするとまた「ガチャガチャ!」と音がするので振り返ると、勝手にドアノブが動いているではないか。

 

恐ろしくて声が出なかった。

 

職場の立て札をくれた人に電話しようとしたその瞬間、あることに気付いた。

 

立て札がまるで刀ですぱんと切られたように真っ二つに割れているではないか。

 

その日はただただ慌てず静かに過ごそうと、夜を乗り越えたが正直どんな気持ちでどのように眠ったのか覚えていない。

 

次の日その職場の人に出来事を話すと、「お札があってよかったね。守ってくれたんだよ」と言われた。

 

真っ二つになったお札を捨てるわけにもいかずそのまま並べて飾っていたがそれ以来、奇妙な物音や現象は起きていない。

 

見えない力が私を守ってくれたようだ。

 

5、住居人の亡霊(工場勤務 福島県郡山 40 由良子様)

 

これは20年前位でしょうか。

 

私は当時彼女が居てお互いに住んでいる所が少し離れていて、少しでも近くに居たいと思い給料も少なかったのですが頑張ってやりくりして1人暮らしをしようと親元を離れました。

 

福島県郡山市に在る○○○公園近くにあるアパートで部屋は狭かったのですが1人暮らしには十分過ぎる位でした。

 

でも部屋は古く少しカビ臭く、それよりも一番気になったのは隣同士の部屋の壁が薄すぎた事でした。

 

本当に部屋なのかと思う位隣の生活音が気になりました。

 

部屋に住み始めてから一週間位経ってからでしょうか、不思議と今思うとなんで??と思う位必ず夜中の2時に目が覚めてしまうのです。

 

目を覚ますと一瞬静かでまだ眠りに就こうとした瞬間何処からか物音が聞こえて来ました。

 

それも毎日の様にです。

 

私の部屋は二階の丁度左端から二番目の部屋で両隣からの物音ではありませんでした。

 

物音が聞こえ始めてから恐らく3日位経った頃だったと思います、それは足音だったんです。

 

それも端から端この階を行ったり来たりしてる音でした。

 

足音に気付くまでは2日位は携帯にイヤホンを指して音楽を聞きながら寝ていました。

 

それがたまたま3日目にはイヤホンを指してまた眠りに付くのを忘れてしまう程の足音でした。

 

私は気になったのでドアスコープに目をやり覗いていました。

 

誰が通るのかと見ていたら目の前を通ってる音してるのに人の姿が見えませんでした。

 

私はえっ?みたいな気持ちになり恐る恐るドアを少し開けてみました。

 

誰もいなく足音がピタリと消えました。

 

訳が解らず部屋に戻った瞬間目の前が真っ暗になりました。

 

気付けば私はキッチンで目を覚ましました。

 

何が起きたのか解らず、その事を大家さんに話しましたが少し話をはぐらかされた感じがしました。

 

後で近所に住んでいた親友に聞いたのですがそこは昔突然心臓発作で倒れて亡くなった方が居たそうでもしかしたらまだ亡くなった方がその階で彷徨ってるかなと思いました。

 

私はすぐに実家に戻りました。

 

私が経験した怖い話です。

 

6、死の予告(サポートセンタースタッフ 栃木県栃木市岩舟町 40 スイカのタネ様)

 

20代の時に当時付き合っていた彼氏と同棲していたアパートでの話しです。

 

その日はお互い仕事が終わってリビングのこたつでくつろいでいました。

 

私は携帯ゲームをしていたのですが彼氏はそのままこたつで寝てしまったのでだらだらしていると、いきなり玄関の鍵が開く様な音が聞こえたので念の為見に行きましたが特になにもなく、不思議には思いましたがそのままこたつに戻ってゲームをしていました。

 

それからどのくらい時間が経ったか分かりませんが、寝ている彼氏が小声でぶつぶつ話し出したので起きたのだと思い「何?」と聞いた事、はっきりとした口調で「お前今日死ぬよ」と言われました。

 

私は意味が分からず「は?なんでいきなりそんなことで言うの?」と聞きましたが返事は返って来ませんでした。

 

悪ふざけかと思いおもいきり体を揺さぶった瞬間彼氏が飛び起きて「え?ごめん俺寝てた?」と言いましたが、その言葉が余計に私を苛立たせ喧嘩に発展しそうなタイミングで私が持っていた携帯が鳴りました。

 

メールの送り主は私の母からでした、内容は「ねぇ、あんた大丈夫?」だけでした。

 

すぐに母に電話してメールの意図を聞いたのですが、私が彼氏に死ぬと言われたほぼ同時刻に母の耳元で誰かが私の名前を囁く声が聞こえたそうで心配になり連絡をしたとの事でした。

 

理由は分かりませんがそれを聞きた瞬間に今まで感じた事のない恐怖感に襲われて涙が出てきました。

 

この時は本当に私は今日死ぬのかもしれないと思いましたが、結局何事もなく無事に今日まで過ごしています。

 

ですがもしかしたら何かしら危ない所を母親に知らせてくれた存在がいたのかも知れない、助けてもらったのかも知れないと良いように思う事にしています。

 

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