6、もう1人の姿(パート 北海道 31歳 嶋崎かおり様)

 

私が小学生の頃、地元にある教育大学のサークルの学生たちが小学生を引率して自然たっぷりの田舎へキャンプに行くという二泊三日のイベントがありました。

 

キャンプ自体は自分たちの力でテントを張ったり、自炊をしたり、大自然を満喫するハイキングなど小学生にはとても楽しく新鮮でした。

 

肝心のキャンプの場所なのですが、それが旧光顕寺の敷地でした。

 

お寺の横に詰所のような建物が一棟と、その横に広めの原っぱがあり大学生たちが寝泊まりやミーティングをするために建物を使っており、参加している子供たちのテントはその原っぱに張っていました。

 

到着してしばらくは中に入ることもなかったですし、古いお寺だなぁくらいにしか思っていませんでした。

 

夜になり子供たちはテントに戻る時間だったのですが、私は仲のいい友人5〜6名と大学生に交渉し「少し夜更かしをしてお堂でトランプをさせてほしい。」とねだりました。

 

大学生たちも子供の中でも年長者の私たちだったからでしょう「いたずらや、危ないことをしないと約束できるなら、少しだけな。」といい自由にさせてくれました。

 

自分たちだけ夜更かしができる特別感でワクワクしながらお堂の戸を開けてまず目に入ったのは大量に並べられた位牌の数々でした。

 

今思えばその時点でかなり恐ろしいのですが、小学生ですから「いっぱいあるね〜」といった会話程度です。

 

気にせず私たちは畳が敷かれたお堂の真ん中にうつぶせで円になるようにしてトランプを始めました。

 

少しすると数名が飽きてお堂の中を飛んだり走ったりとじゃれ始めました。

 

私は同じ姿勢のままで遊んでいたのですが、ふと気になったのが私の周りをぱたぱたと走り回る音と子供の足でした。

 

じゃれていた友人かなと最初は気にせずにいたのですが次の瞬間”あ、誰かが今私のことを跨いだ。”と感じたのです。

 

さすがにびっくりしたので「今わたしの上を跨いだのは誰?」と聞いたのですが顔を上げた時に目に入ったのは思っていたより遠くでじゃれあう友人の姿でした。

 

その時それまで聞こえていた足音も視界にかすめる足も友人のものではなかったと気付き血の気が引いたのを覚えています。

 

キャンプから数年後、朱鞠内という土地ではダムの建設時に多くの人間が人柱となったという話があることを知り、位牌の光景と繋がって思ったことはいたずらをしなくて本当によかったです。

 

7、謎の血痕(会社員 岩手県森盛岡市 34歳 らっちゃん様)

 

今から10年ほど前、旧友5人と久しぶりに会うことになった。

 

その会話の中で日本一の心霊スポットと呼ばれる慰霊の森の話になり、おもしろ半分で夜中にドライブに行くことにした。

 

現場に着いて車を降りたとたん、まずは明らかに異様な雰囲気を感じた。

 

だが、全員心霊系のことは信じていない仲間たちで、その日は季節外れの暑さだったため、そのせいだろうと思い、森の中へと入りこんだ。

 

少し歩いていくと、その異様な雰囲気はなくなりやはり気のせいだということでさらに奥へと進んでいった。

 

そのときにいた仲間1人は缶チューハイを飲みながら歩いていた。

 

そして目的の慰霊碑の前に到着して全員で写真を撮った。

 

その撮影はスマホで行ったが、特に心霊写真は撮れず、やはり噂だけだったんだなと、半分安心しながら我々は自分たちが乗ってきた車へ歩き出した。

 

その途中で、缶チューハイを飲んでいた1人が遊び半分で森の中に持っていた缶チューハイを捨てて、さすがにそれはだめだろうと皆が注意して、ある1人はその缶チューハイを探しに行ったが、現場は真っ暗でもうどこにいったか分からなくなってしまった。

 

その缶チューハイを投げた1人は悪気もなくそのまま皆車へ戻っていった。

 

そして、車のドアを開けて座ろうとしたとき、なんとそこには捨てたはずの缶チューハイが置いてあったのだ。

 

しかも、血まみれの手で持ったような血痕が付いていて・・・。

 

それに驚いた我々は怖くなりすぐに現場を後にした。

 

その後何も起きることはなかったが、あれは霊の仕業だったに違いないと確信した。

 

8、自殺の通り(接客業 岐阜県 25歳 mentam2様)

 

これは私が運転をしていた時の話です。

 

この日は、仕事もない休日でした。

 

母も仕事がなく、友達飲みに出かけていました。

 

私は家でテレビを見ながらくつろいでいました。

 

夜11時ころです。母から迎えに来て欲しいと連絡を受けました。

 

飲み屋に迎えに行くと、2人友達を一緒に送ってほしいと頼まれました。

 

快く引き受けました。

 

その友達は申し訳ないと、途中コンビニエンスストアに寄って、私にアイスクリームやお菓子をいくつか買ってくれました。

 

友達二人の家は真反対の道で結構長い時間運転していたと思います。

 

最後の人を降ろしたころには、時間は1時半を過ぎていたと思います。

 

そして、来た道をそのまんま帰ることにしました。

 

私は、道を覚えらず、また、方向音痴のため、母に道案内をしてもらっていました。

 

他愛もない話をしながら走っていた時です。突如、背中がぞわぞわと感じ、急に寒くなってきたんです。

 

そして、太ももら辺も何だか寒くなってきたんです。

 

秋の終わりごろだったため、暑くもなく、寒くもなかったので、エアコンはかけていませんでした。

 

風かなと思い、窓を閉めようとしましたが、全ての窓は閉まっていました。

 

そして、ある交差点に近づくと、寒さが消えました。

 

母は何も言わなかったため、気のせいかと思いましたが、母に「なんか寒かったんだけど」と伝えると、母は顔を真っ青にして私に言いました。

 

「えっ、今通ってきた道、昔家があって、そこで首つり自殺があった場所だよ。」と。

 

今まで、霊感等なかった私ですが、それを聞いた時は、また背中がゾクゾクと寒くなる感覚がありました。

 

知らないほうが、感じやすい事ってあるんでしょうかね・・・。

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