6、花火から出た人の顔(会社員 三重県桑名市 31 ぽん様)

 

私が高校生の時のお話です。

 

田舎で山の上に小学校がありました。

 

中学を卒業してからは、夏といえば幼馴染と集まりよく自分たちの通っていた小学校で花火をするのが大定番でした。

 

その年も、毎年恒例のように何回目かの花火をしていました。

 

手持ち花火や打ち上げはもちろん、棒形の打ち上げ花火を手に持って追いかけっこをしたり・・と、相変わらずふざけて楽しんでいました。

 

当時iPhoneなどはまだなく、ガラケーでみんなで楽しんでいるところを撮影しました。

 

花火を一通り楽しんだ帰り道、ちょうと夜中ぐらいだっとおもいます。

 

みんなでべっちゃくりながら歩いて溜まり場へと帰る途中、さきほど撮った写真をみんなにみせた時です。

 

一瞬時が止まりました。

 

撮った直後にはなにも気付かなかった顔・・。

 

それは、撮った写真にはもちろん楽しんでる様子の幼馴染達がうつっていたのですが、そこに立ち込める花火の煙が明らかに人の顔だったのです。

 

3人?ぐらいひとりは赤ちゃんのように見えました。

 

楽しさのあまり忘れていたのですが、私たちの小学校の前には墓場があり、その写真はまさに墓場に向かってとられたものでした。

 

その時代は心霊写真といったらまだ写真ベースのものが主流だった為、まさかケータイで撮った写真がそんなことになるとは思いませんでした。

 

幼馴染たちにいっても、茶化されドン引きされネタにされましたが元々心霊系が苦手な私はとても怖くて頭から離れませんでした。

 

気づいた時には頭の右半分だけが痺れて触っても感覚がない状態になりました。

 

2.3日続き、若かったためお祓いなどは現実的には考えられませんでした。

 

撮った写真は見るたびに変わっているような、かといって顔は消えずでした。

 

怖さのあまりわたしは心の底からたくさん謝りながらその写真のデータを消しました。

 

すると気づいた頃にはその痺れや麻痺はなくなっていました。

 

不思議なのはなぜだかその時、妙にこのお話を他にしてはいけないとゆうような気持ちになっていたことです。

 

性格上、こんな話言いふらすような感じなのですがその時はなぜかそんなことしたら、もっと何かどうかなってしまうとゆう圧を感じました。

 

怖さからかもしれませんが。

 

このことがあってから私は、大好きな花火をする時この小学校でなくても2度と写真をとらなくなりました。

 

7、小さな神社に現れた見えない誰か(アルバイト 高知県 30 くるみ様)

 

それは、息子が参加している、ボーイスカウトの活動中に起こった出来事です。

 

私には、2人息子がいるのですが、上の子がボーイ隊、下の子がカブ隊で活動していた4年ほど前の、団キャンプでの出来事になります。

 

その年は、愛知県の蓬莱山近くでキャンプを行うことになり、夏休みの半ばを利用して2泊3日、廃校になった学校を借りて、水遊びや山登り、キャンプファイヤーなどをして、有意義なキャンプになるはずでした。

 

下の子は、カブ隊組長として張り切ってはいましたが、いかんせん小5、真面目にやってる子もいましたが、その時は化石掘りなど魅力的なものもあって、興奮していたのでしょう。

 

山登りをする、と言う隊長の言葉に大喜びでした。

 

蓬莱山にある、東照宮に登ると聞かされ、ボーイ隊の兄とはお別れ。

 

お兄ちゃんお姉ちゃんの集まりなので、宿泊先から歩いて登るのだと言われ、楽な、途中まで車で行って登る方を選びました。

 

カブ隊の親は、1つ学齢が下の、小1、2年のビーバー隊の子供達も含め、一緒に登ることになりました。

 

私も、頑張って東照宮までは登ったのですが、そこから先は流石に体力が持たず諦めて、1人で戻りを待っていたのです。

 

その時は、まだ参拝者が多く、何事もない、と思っていたのです。

 

本当に、その時は。

 

しかし、30分から40分ほどが過ぎた頃、参拝する客の姿が減り、それから10分くらいになると、もう誰もいない状況に。

 

しかも、来る時には晴れていたのに、いつの間にか薄暗くなり始めているではありませんか。

 

ーー山の天気は変わりやすいと聞きますが、これはどうなのかと思いつつ、屋根のある家屋に避難。

 

といっても、お賽銭のあるところですので、お尻を本尊の方に向けるわけにも行きません。

 

恐々と心の中でお邪魔します、と挨拶して、雨が降らないように祈っていました。

 

その時です。

 

鈴がガランガラン鳴り出したのは。

 

誰かいるのか、と思って見ても、私しかいません。

 

そりゃそうだよ、きっと風だよ、と思いながら、やり過ごそうとして、風が吹いていないのに気付きました。

 

まさか、猿とかいるのでは、と思って見上げても、そこには猫一匹見当たりません。

 

段々空は暗くなり、周りもそれに比例して暗くなります。

 

時々思い出したように、鈴が鳴ります。

 

あまりにも怖かったので、寝た振りをしよう、と目を閉じた時でした。

 

ガヤガヤと、登っていた子供達や、隊長、保護者が帰ってきたのは。

 

空は晴れていました。

 

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