8、女性の幽霊の仕業(派遣 福岡県 25 ぽお様)

 

5年前、実家に久しぶりに帰ってドライブ好きのお父さんは山道を走り抜くのが好きで、よくいろんな山へ連れて行ってもらったりしていて今回はF県O町と隣町境の山道をドライブすることになった。

 

ドライブが終わり今度は一人でその山道に行き、カブトムシやクワガタを探しに出掛けて再び訪れた。

 

ちょうど暗くなって懐中電灯をつけてカブトムシがいそうな木を探していく。

 

そしてアルバイターの俺はせっかくの休みだしこの暗い森を探索しようと駆け巡りライトに虫網、まだ夏で暑いのに虫が寄ってくるように保護色にした迷彩服ジャケットを着て汗だくになりながら探した。

 

すると物置きと思われる場所を発見して今まで通ったことがない場所に出てしまい車道ではあるが位置が掴めないでいた。

 

幽霊から見ても迷彩柄のジャケットを暑いのに長袖で来ている時点で俺自身不審者だから何も起こらないと思い、道に迷ってもどうにかなると言い聞かせてカブトムシ探しにクワガタ探しを続けた。

 

物置きがある場所は他の場所と違って異様な空気が漂っていたが鈍感な俺は全く気にしていなかった。

 

心霊スポットと聞いたことないしそもそも幽霊なんていないと思っていたからだった。

 

しかし、どうにも異様な空気が気になって気がつけば物置きの方向へ足が全身していた。

 

俺自身、完全にその空気に呑まれて行ったのである。

 

それからカブトムシ探しよりもそっちの方が気になり巡回するように見渡すと何かうめき声が聞こえたら助けを求めるような女性の声みたいなのが聞こえてきた。

 

俺は怖くなりすぐに引き下がって違う道にある草陰に隠れた。

 

幽霊自体は見えないが人が歩いているような物音だけは普通に聞こえてくる。

 

そこは車も人も通っておらず俺しかいないのにどうにも怪しい。

 

それでも物音が聞こえ、目の前でうめき声が聞こえた瞬間、俺は気を失って朝8時に目が覚めた。

 

お父さんから電話がかかってきて帰ってから結構、めっちゃくちゃ怒られた。

 

後から聞いたがその場所は戦後、米軍が進駐してきて間もない頃にこの人が通らない場所で若い女性が休暇で夜遊びをしていたアメリカ兵に殺害される事件があったのだと聞いた。

 

もしかしたらこの物音と足跡はその女性の霊の仕業なのかもしれない。

 

9、女性の幽霊の仕業(アルバイト 東京都八王子市 36 まさみ様)

 

これは私が一人で高尾山に登った時の話です。

 

私が登った時はシーズンを外れた平日なので観光客も然程多くなく、ゆったり森林浴を満喫できました。

 

もともと地元なので高尾山には数回訪れており、今回は少し趣向を変え、普段は行かない険しいコースにチャレンジしました。

 

木々が密生した薄暗い道を登り始めて一時間ほどした頃、背後でザクザクと足音が響きだしました。

 

後続の登山客かと思って振り向いて確かめたものの誰もおらず、思い過ごしだと思って歩みを再開すると、またザクザクと音が響きだします。

 

延々それの繰り返しで遂に痺れを切らし、「誰ですか」と誰何の声を上げました。

 

するとパキリと小枝のへし折れる音がし、それきり重苦しい静寂が立ち込めました。

 

なんだか薄気味悪くなって足を速めたものの、今度は両側の木立の合間から執拗な視線に纏わり付かれ全身に鳥肌が立ちました。

 

足音の主が林に潜んでこちらを見ている強迫観念を拭えず、少しでも気を紛らわせようと歌を口ずさんでみると、そのサビの部分に合わせるようにパキパキと小枝のへし折れる音が連続します。

 

誰かが歌声に合わせて小枝を踏みしだいてると直感し、一気に恐怖が押し寄せました。

 

怖くなって坂道を駆け上る最中、右手の藪の中をザザッと黒い影が駆け抜け、獣臭く生ぬるい風が吹き付けてきました。

 

拓けた場所に出た途端妙な風や音は止んで安堵しました。

 

高尾山には天狗が棲むらしいですが、アレは一体何だったのでしょうか?今でもよくわかりません。

 

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