4、トイレにいた白装束の女(サラリーマン 奈良県 49歳 哲ちゃん様)
行きつけのスナックが午前1時に閉店し、閉店までいましたが、ほろ酔い程度でしたので酔い覚ましかねて徒歩で20分かかる家路につくところでした。
途中でトイレに行きたくなり、夜中と時間も時間ですし人気のあるコンビニのトイレが良かったのですがあたりにはなく、仕方がなく小汚い古びたトイレのある公園にいきました。
トイレで用を済ませて振り向くと、そこには白装束の女が立っていました。
慌てふためいた私は、白装束の女の顔を見るなり腰を抜かしてしまいました。
そのあと、ようやく叫び声を出すことができました。
すると白装束の女は何事もなかったように公園内を時計回りに回っていました。
私は、女がもう一周してくるまでに何とか抜かした腰を振りほどき、立って逃げなければと必死でした。
しかし、白装束の女の周回スピードは考えられないほど早く、私に近づいてきます。
慌てる私は恐怖心一杯で立ち上がることができませんでした。
しかし、白装束の女は私には目もくれず公園を周回しているのでした。
そこに懐中電灯をつけながら誰かが近づいてきました。
どうやら私の叫び声を聴きつけた近隣の人でした。
事情を話すとその人が口を開きました。数十年前にもなる話で、近辺で火事があったそうで、火事の原因は放火だったそうです。
その時になくなったのが当時住んでいた母子家庭の母親と女の子の2人だったそうです。
なんでもその放火がおこったころから、白装束の女がこの付近で見かけるとうわさになっていたそうです。
自分の子供を探しているのではないかと。
それ以来、怖くて公園付近を通ったことはありませんが、今も白装束の女は、夜の徘徊をしているかもしれません。
5、公園の正体(当時学生 兵庫県 24歳 丸尾様)
私が住む街は比較的新しい、いわゆるニュータウンで、山の木々を削り整地された場所にできた街だった。
この新しい街並みを楽しみながらランニングをする人も珍しくない。
そんな人たちが暮らすゆったりとしたところである。
ある日、日も落ちた夏の夜にチャイムが鳴った。ランニングをしていた少年野球の仲間たちだった。
「ちょ、お化けが動画に写ってん!助けてくれ!」
そういった友達は、私に携帯の動画を見せてくれた。
その動画には、確かに公園の遊具の下から手らしきものが出ている。
半信半疑の中、友達と公園に再度戻ったら、確かに地面に手の形が付いているのである。
私は恐怖を覚え、その公園にはなかなか近寄る事ができなくなった。
これが小学校6年生の話。
それから数年が経ち、大学で建築学を専攻していた私は、地元の問題点を挙げ、卒業設計として消化しようとしていた。
分析資料を図書館で探していた時、私の住む街にかつてあった山についての資料を見つけた。
かつての山は里山として、地域の人々に密接に関わっていたため、その参考資料としての文献であった。
私は最終ページにあった山の鳥瞰写真を見たときに青ざめた。
ちょうど木々が削り取られる前の私たちの街が写っており、小学生の時に恐怖体験をした公園は、かつて墓地だった事がわかったのだ。
山と一緒に一掃されたこの地域にこんな過去があったことに驚いた上に、遊具の下から伸びていた手は、供養されていた人たちの怨念だったのではないかと今では思う。
6、白い服の姿(会社員 栃木県 54歳 まさお様)
人生初初となりますが、今振り返っても「あれがなんだったのか」不思議で疑問しか沸いてきません。
およそ4年前に久しぶりにあった友人と3人で飲みにいきました。
飲み屋街のある、上述茨城県結城市「JR水戸線」に併設する横にならぶ居酒屋で楽しいひと時を過ごした帰り道でした。
時間が22時をまわったころ、1件のお店から2件目へのお店へと移動しました。
移動先は同じく線路沿いにあるスナック店でした。
人気がなく街頭もままない線路沿いをあるくこと10分くらいたった頃でしょうか、線路横に併設した広く高い気が茂った公園の中央に白い服装(白装束)をきた人(男性か女性かは不明です)が、私達とすすむ進行方向と一緒の方向に歩いていることに気がつきました。
まず、3人が思ったことは一緒でした。
「なぜ、公園の進行方向には高い壁があること、線路両脇にみちがあるのにそこを通らないのか」。
結構考える時間(間)がありました。
そして、あることにきがつきました。
よく見ると背中に籠のようなものを背負っていたことに。
改めてなんだろうと3人して考えました。
ただ、その人は間違いなく前に進んでいます。動いています。
その時思ったことは3人皆一緒の考えでした。「ひょっとして、見てはいけないもの」ではないかということです。
気味が悪く感じ、途中の路地を曲がり、線路を背にし、目的の2件目の居酒屋に向かうこととしました。
その時、友人の1人が「やっぱ、戻って注意してこよう、声をかけてこよう」と。
恐る恐るですが、逆走し声をかけに向かったのもつかの間、その人はもういませんでした。
正味2分間の出来事だったとおもいます。今でも不思議に思います。
その人は何だったのか、そして声かけに戻った僅か2分の間にどこに行ってしまったのか。
公園には高い壁が、そして線路の良脇には、2mほどの策が並列しており、歩く場所があるにも関わらずです。
なぜ、進行方向に壁があるのに向かっていたのか。
今、振り返れば、やはり疑問と怖さがはっきり蘇ってきます。