7、透ける男性の姿(会社員 兵庫県 40歳 くりまんじゅう様)
30歳前後の頃、長期休暇ごとに一人で日本各地を旅していました。
このときは確か鹿児島、熊本と旅し、結構な疲労状態で旅行の最終日に長崎市に至っていました。
お昼頃に着き、ホテルに荷物を預け、市街地を散策しました。
市街地だけではあったのですが、坂の町なので上ったり下ったりがやたら多くて、さらに疲労困憊になりました。
夕方、ホテルの近くのレストランで食事をして部屋に戻りました。
疲れている自覚があり、鍵を閉めて翌日の朝起こさないでほしいというカードをドアに取り付けました。
残りの気力を振り搾ってシャワーを浴び、日課の晩酌もせずに21時頃にベッドに入ったと記憶しています。
ひと眠りし、ふと目が覚めました。
このときのベッドはドアに対して垂直で、顔を横に向けると入り口が見えるという仕様でした。
その入り口入ってすぐのクローゼット横のスペースに人影が見えます。
かなり体格がよく、全体的に白くて顔は見えないのですが男性だと思いました。
男性はのそのそとかなり鈍い動きで何かを探している様子です。
ホテルの人という感じはせず、私は悪意を持って侵入した人だと思いました。
一生懸命に頭を働かせて、その場を乗り切る方法を考えました。
もし本当に侵入者であった場合、おそらく探し物は金銭です。鞄の中には財布がありますが、ほとんどカード払いなので現金はわずかしかありません。
これは財布を犠牲にして身を守るべきだと思い、薄目を開けつつ寝たふりを続けました。
するとその男はのそのそと動きつつクローゼットやトイレのドアを開けようとします。
しかし実際にはドアを掴んでいるわけではなく、ドアが閉まった状態のところに顔を突っ込んでいるのです。
つまり男の体は透けているのです。
それに気づいた瞬間、ギョッとした半面、おとなしくしていれば暴力を受けることはないと安心もしました。
そして、こういう時は寝るのが一番と目を閉じて再び目覚めた時には朝でした。
ただ目覚めた時に電気がついていたのが今でも不思議です。
だって私は寝るときには真っ暗にするし、一度目覚めた時も真っ暗だったので。
8、おかっぱの子供たち(ピアノ講師 茨城県 50歳 リーヤン様)
忍野村で友人が親子で喫茶店を経営していて、クリスマスのディナーコンサートに出演しました。
二日公園で当日入り、喫茶店の奥さまの姉妹にあたる人が国民宿舎のような旅館をされており、そこに一泊することになりました。
場所的には超富士山の麓です。
歌手の友人もかなり霊感があるらしく、「寝付けないね」と寝入っていた時です。
着物を着た子どもが沢山部屋に入ってきて、私たちの布団の周りをぐるぐると歩きました。
手毬を持っている子もいました。
皆おかっぱで、10人弱はいたでしょうか?
楽しそうでしたが、明らかに大正とかその辺の雰囲気です。
「目を合わせたらいけない」気がして、寝たふりをしていました。
気のせいだと思ってもすり足の音まで鮮明なのです。
気のせいではありませんでした。
短い時間だったかも知れませんが、長い時間のようにも感じました。
隣の布団を見ると友人は寝ているようにも見えたのでそのままそっとしておきました。
やがて一人がふすまをあけて出ていくと、それに続いて全員が部屋から出て行きました。
怖かったですが、翌朝、「部屋に誰か来たよね」と友人に言われ、「私もそう思った」と言いました。
叔母さんが「ここはお墓の跡地で、時々ここに泊まる人たちが(こどもが来た)って言うのよね。
今のところ、その他に話は聞かないもんだから泊まる前には言わないけど、二人とも霊感あったのね。」と言ってきました。
無事に演奏を終えて、帰宅しましたが、とても鮮明な幽霊で、時間が経った今でも覚えています。